国連に民意をどう反映させるか

メールマガジン 第四号     2022.11.10

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卵の会の方針:国連を民主的な組織に改革する! 

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卵の会 これまでのメールマガジンで次のようなことを、発信しました。

第一号: 領土の確定 住民投票は国連監視で 第二号: 国の安全保障 第三号: イデオロギーを乗り越える

今回の第四号では: 市民の運動・参加  など 

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<国連に民意をどう反映させるか>

 国際連合は、そのメンバーが「国家」である。国家間の平等という原則がその前提となって、一国の独断や専制ではなく、多くの国の同意のもとで世界秩序を構築するという「多国間主義」という原則を尊重している。従って国連における議決は、各国の外交的関心の総意で決まる。

 民意を国家に反映させ、国家が国連の方向性を決めるというのが国連のシステムである。このシステムの在り方が、国連の機能停止やゆがみを生んでいないだろうか。関係ない国の意見、常任理事国の拒否権などが、国連の機能停止につながっているのではないだろうか。ウクライナ戦争に関しても、世界は、ウクライナの事情や政治的流れ、民族的な事情、ロシアの歴史や意図、など、理解不足でなはいだろうか。

◆2019年6月9日、香港では100万人デモが起こった。反体制活動などで収監された「政治犯」は1014人である。一連の抗議活動で逮捕されたものは、1万278人である。新聞などに対する弾圧も多い。逮捕者のうち2850人が起訴された。ロシアでは、政治犯は420人、イラン605人、ベラルーシ1187人、キューバ1218人である。香港の100万人デモから3年が過ぎ、香港に自由は戻りそうにない。

 デモを組織化し、政治に反映することが一つの民主主義の在り方である。ゴルバチョフのペレストロイカでも、民衆の後押しの力は大きかった。香港では、ただ自由が欲しいというだけでは、自由は作れない。自治権獲得や香港政府の創設ということにつなげる必要がある。しかし、香港がそのような動きに出るとき、習近平中国政府の圧力は、大きなものになると思われる。アメリカではなく、民主化を求める香港の人々が国連への提起を行える道が必要ではないだろうか。

■ アメリカ中間選挙

 アメリカの中間選挙は共和党と民主党が接戦模様。共和党の優位要因は、バイデン政権のインフレを招いた極端な財政膨張が批判されている。アメリカのインフレ率は、8%を超え続けていて、生活を圧迫しているということが、バイデン批判となっている。財政膨張の一因となっているウクライナへの多額の武器供与。ウクライナ戦争支援縮小論も出ている。対ロシア政策の再考が議会から求められることになりそうである。民主党の有利な要因は、トランプ氏の民主主義を尊重しない姿勢への批判である。

 アメリカの大統領選挙の在り方に対して、冷ややかな目を向ける人も多い。過度のののしりあい。多額の資金を使った過剰な宣伝。対立の激化と暴力沙汰。選挙ということが、必ずしも合理的な理由から国政に反映されていないという側面がある。かつて、レーニンは選挙というものが、偽の民主主義であると批判した。ソビエトという評議会制度による意見の積み重ねで国の体制を作ったのである。しかし、そこにも官僚主義や強権がはびこる結果となっている。

■ 中国の体制  10月16日からの中国共産党大会で、習近平の一極支配の体制が強まった。しかし、中国は強さと合わせて、多くの矛盾を孕んでいる。「中国には中国の民主主義がある」ということが、欧米からの政権の批判に対する反論であった。胡錦涛氏や李克強氏、胡春華副首相などは、共産主義青年団出身である。これらの人々は、今回、外された。習近平氏の側近が勢力を得たという大会になった。習近平の露骨な一極支配の成立と報道されている。中国の国家体制は、強力な制度が機能している。

中国の体制の中核には、首席の習近平氏を頂点とし、中央弁公庁主任(栗戦書氏)を中心に総書記、中央書記処が実務を取り仕切る。人事と党員教育を担当する中央組織部部長が重要な権限を持ち、それと並んで中央政策研究室が政策立案などに大きな役割を担っている。中央政策研究室は10の研究部門からできておりシンクタンクとして有能である。様々な案の起草を行う。人民解放軍も同様の研究部門を持つ。

 アメリカの国防高等研究計画局DARPAや国防省、国家安全保障会議NSC、中央情報局CIAといった巨大組織が国防組織・技術開発・情報機関などで、有能である。同様に中国も有能な組織を確立している。

 

しかし、同時に、中国では集団抗議事件が年間5万8000件(2003年)(*興梠一郎著『中国激流』による)で、延べ300万人が参加し、多くの人権弁護士が投獄されているということも見ておく必要がある。負の側面は覆い隠されていることは否めない。

◇ ウイグル人は、中国人とは違った顔立ちである。習慣や食べ物を違う。中央アジアの文化である。宗教も、中国の道教・儒教・仏教のいずれでもなく、イスラム教である。かつてはウイグル自治区の最高指導者セイフディン・エズィズィは毛沢東とも話せる発言力があった。現在では40年にわたり、自治区最高指導者にあたる党委員会書記は漢人が就任している。すっかり漢民族の支配になっている。上層部は、すべて漢民族で占められ、ウイグル人の環境は低層となっている。失業と貧困の状況である。中国政府は、権力的に抑え込んでいる。「職業技能教育訓練センター」は強制的収容所となっている実態が報告されている。

 

❖我々、卵の会は、国連と、これらの機関との連携を模索する必要があることを提起してゆかなければならない。❖

卵の会 方針

国家はそれぞれ軍事力を持ち、軍事力を背景とした外交を展開している。その意味では、国連は軍事を前提とした外交の中の代表の集まりであるということになる。武装を否定する市民社会的要素を組み入れることを検討すべきである。

 市民社会は、非武装を原則とし、国家は軍事的機能を本質的要素としている。市民社会の非武装製の本質を国連の場に反映することが安全保障を有効に進めることになる。

民意を国政、国際社会に反映させるために! デモはどこまで信用できるか? 選挙はどこまで信用できるか? 評議会はどこまで信用できるか?

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【卵の会 活動ニュース】  国連に市民の声を反映させる努力をしよう  署名活動 ⇒ 日本政府への請願 ⇒ 日本政府から国連改革の提案   という道を取りたいと思います。 平和のための国際機構を作る= 国際連盟・国際連合の課題のはずです 悲惨な戦争を繰り返さぬために、平和を強制できるほどに権限の強い国際機構を作ろう

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