国連 対 外交  メールマガジン 第5号

2022.11.17

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卵の会 国連 対 アメリカ・中国などの大国の外交

 第二次世界大戦まで、世界は国家間の外交関係で動いていた。その後、国連ができ国益を超えた話し合いがもたれた。そして今また、外交がすべてを決定する世界に逆戻りしている。国際会議は機能停止になっている。

◆ 外交と戦争の時代になっている。

中国とアメリカという大国は、国連よりも強力である。国連を超えた勢力である。そして、ロシアさえ、ウクライナ戦争にみられるように、国連よりも自国の軍事力、核戦力に依存するという体制になっている。国連への各国の協力を改めて求める動きをとらなければ、平和外交は実現しない。外交は軍事力と経済力を背景にし、世界は戦争の危機にさらされ続ける。国連の最大の課題は世界の国家を国連への協力するシステムを作ることではないだろうか。

■11月14日、米中会談が行われた。G2の時代の世界の覇者である両国間での話し合いである。しかし、この2国は対立を鮮明にしているが、習近平とバイデンという二人の首脳の話し合いがもたれたことは、対立から話し合いへの大きな一歩である。

国家の力は、軍事力と経済力がある。軍事力は、覇権主義と結びつき、領土拡大へ進む。経済力もその国の影響力を世界に広げるという外交政策をとることになる。経済力が軍事力に結びつくことが多いことが、国家外交のありかたとなる。中国とアメリカは、経済大国であると同時に軍事大国である。そして今、国連が機能せず、すべてが外交関係で動いている。大国の覇権は外交を動かす。世界の危機への逆戻り、世界大戦への道につながりかねない危険性が潜んでいる。

 国連の重要な機能は、軍事力を制御することである。しかし、どの国家の政府も自国の軍事力が削られることを是としない。国家の基本性格の中で国力を強大にしようとすることがある。国土を強大にすることは、人々の幸福を大きくすることにつながるわけではない。しかし、各国は経済力の増大し、軍事力の増大を国家政策そして外交の目標にする。経済力と軍事力、大国への野望より、国民の豊かさということを中心とした政策に舵を切ることは各国の国民の意思となるような動きもあり得る。その中で世界に対して戦争をなくし、平和を願うということがより多くの国に定着することが、国連改革に結びつくものと言える。

■世界の極は、米国、中国のG2の時代と言われるが、それに食い込もうとしているのが、EUであり、ロシアであり、アラブイスラム連盟(どの国が指導権を握るかという点での争いがまず起こる。)である。

 中国は経済力を増大させ、日本を追い抜き、2021年のGDPは、17.5兆㌦、米国が23.0兆ドルである。29年には、33.5兆ドルで、米国の33.3兆ドルを追い抜き、世界代々の経済大国になると予想される。しかし、中国はいくつかの問題も抱える。①電力不足、②共同浮遊政策がIT企業を締め付ける。③通貨である元が安くなる。④人口減、⑤高齢化、⑥不動産投資の減少など、いずれも中国経済を支えてきたものの崩壊を意味する。中国の成長を抑える要因となる。

 世界各国が軍備に頼る構造から脱却し、戦争を食い止めるためには、国連の軍縮会議が重要である。アメリカも外交政策も中国の外交政策もそして多くの国は、軍縮に同意する可能性は低い。それを支えるのは、市民の声である。市民社会、企業の声である。国連改革の中に市民の枠を作ることがまず必要である。そこに真の人民の意見、意志があるはずである。

◆歴史と現状 <アラブの紛争の原因 戦争とテロ>

 武力でしか解決できないと考える人々と政府がある。それが歴史の現実でもあった。中東の国境問題も、1916年のサンクス・ピコ秘密協定は英仏の恣意的分割、国境策定であった。それも英仏の帝国主義的武力行使によって実現されて、現在の中東諸国の国境が確定されている。加えて1917年のイギリスによるバルフォア宣言でイスラエルが作られ、以後、武力衝突でイスラエルが領土を獲得していった。パレスチナ問題という70年以上にわたる戦争状況を生み出した。IS,KRG,反アラブ主義(ナセル大統領以来)、サッダーム・フセイン クウェート併合など、それぞれの勢力は武力を行使し続けている。これらの勢力は中東の帝国主義的分割に対する批判という側面を持っている。ISはテロ国家であるが、その支配地はシリアとイラクの国境を廃棄することで不当な国境を否定したという評価もある。KRGのクルド勢力は、クルド民族の独立を志向して、既存の国境と違った国土を目指して、武装活動をしている。反アラブ主義はアラブの統一を目指す。多くのイスラム国家がイスラムによる世界支配を目論んでいる。フセインのクエート侵攻は、一面では、アラブに対するアメリカ支配による国境に挑戦した、という評価を受けるという正義があった。

すべて武力による現状変更の試みとなり戦争に繋がってきた。国家創設ということが武力を出発点としてきたのである。武力を使用しない解決方法が、提起されなければならない。国連は積極的な条約策定を提起する必要がある。

 戦後は変わったのか?国連ができて、国連憲章が不戦の原則を国際法にしているという側面はある。しかし、外交関係にたよるとき、国益の対立から武力侵攻が行われてきた。

 「外交」と「国連」ということは、対立的なことがらとして捉え返される必要がある。そこに市民的な要素を加えるという新たな国連の必要性がある。

◇ウクライナ戦争ニュース 

 ポーランド攻撃か?ロシアのミサイル攻撃がNATO加盟国に及んだのか?2人が死亡と報道されている。NATOが戦争に参加するか?第3次世界大戦につながる戦争拡大の可能性は?誰かの工作の可能性も。工作だとすれば、戦争拡大を誘発する意図がある。ウクライナが発射したミサイルであるという調査報告を、ポーランド、アメリカ、NATOが出している。これまでウクライナの政権は、他の国にロシアへの攻撃をするよう呼び掛けを行ってきた。世界は、ロシアのミサイル攻撃に対する防衛のためウクライナが発射したミサイルであるとしている。

【卵の会 活動ニュース】

❖戦争を防ぐことを真剣に考えたいと思います。世界情勢の複雑な構造を解き明かしながら、国連改革を進めて、戦争廃絶、安全の道を模索したいと思います。

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